わが母の 袖(そで)もち撫(な)でて 万葉集 防人の歌 [万葉集]
万葉集 防人の歌
わが母の 袖(そで)もち撫(な)でて
わが故(から)に 泣きし心を 忘らえぬかも
物部乎刀良(もののべのおとら)
防人として旅立つとき、母が私の袖でを撫でながら泣いていたのを忘れられない
わが母の 袖(そで)もち撫(な)でて
わが故(から)に 泣きし心を 忘らえぬかも
物部乎刀良(もののべのおとら)
防人として旅立つとき、母が私の袖でを撫でながら泣いていたのを忘れられない
山上憶良 万葉集 [万葉集]
士やも
空しくあるべき
万代に
語り継ぐべき
名は立てずして
山上憶良
をのこやも
むなしくあるべき
よろずよに
かたりつぐべき
なはたてずして
男子たるもの
無駄に一生を終ってよいものか
永遠に語り継ぐべき
名声をあげもしないで
万葉集 舎人皇子 [万葉集]
ますらをや
片恋せむと
嘆けども
醜のますらを
なほ恋ひにけり
舎人皇子
ますらをや
かたこいせむと
なげけども
しこのますらを
なほこいにけり
武人が 「女々しい、片思いなどするものではない」と思ってみても
この情けない武人の俺は、恋に心を悩ませている
片恋せむと
嘆けども
醜のますらを
なほ恋ひにけり
舎人皇子
ますらをや
かたこいせむと
なげけども
しこのますらを
なほこいにけり
武人が 「女々しい、片思いなどするものではない」と思ってみても
この情けない武人の俺は、恋に心を悩ませている
防人の歌 [万葉集]
水鳥の、立ちの急ぎに、父母に、物言はず来にて、今ぞ悔しき
有度部牛麻呂(うとべのうしまろ)
水鳥が飛びたつように慌しく支度をして
父母にちゃんと別れを言わずに来てしまった
今はそれが悔やまれる