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播磨潟なだのみ沖に漕ぎ出でて…西行 [和歌、短歌、俳句]


播磨潟(はりまがた)なだのみ沖に漕ぎ出でて


あたり思はぬ月をながめむ

                                            
                                  西行



播磨潟の灘の沖に舟で漕ぎ出て、周囲を気にする必要のない月を心ゆくまで眺めよう



                                  
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古今集 藤原敏行朝臣 [和歌、短歌、俳句]

古今集




秋立つ日よめる              




秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる




藤原敏行朝臣

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名月をとってくれろと 小林一茶 [和歌、短歌、俳句]






名月をとってくれろと泣く子かな






小林一茶











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石川啄木 [和歌、短歌、俳句]








ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく  




石川啄木











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芭蕉 [和歌、短歌、俳句]





夏草や兵どもが夢の跡


五月雨の降り残してや光堂


蛍火の昼は消えつつ柱かな











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唐土にて月を見てよみける  阿倍仲麿 [和歌、短歌、俳句]



唐土にて月を見てよみける              阿倍仲麿



天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも



この唐で見るあの月は、奈良の都でも見えているのだろうなぁ…











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西行法師 新古今集 [和歌、短歌、俳句]




世の中を思えばなべて散る花の わが身をさてもいづちかもせむ


              西行法師 新古今集





散りゆく花のように、はかない人の世

わが身も思えばはかないものだ

このはかない人生に、何を拠り所としたらいいのだろうか





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与謝野晶子 [和歌、短歌、俳句]

 


柔肌の 熱き血潮に触れもみで 悲しからずや 道を説く君





私が貴方を恋してるの知っていながら

私のこの体を抱こうともしない…

男のくせに、臆病な人ね…


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石川啄木 一握の砂 [和歌、短歌、俳句]

石川啄木




函館なる郁雨宮崎大四郎君
同国の友文学士花明金田一京助君


この集を両君に捧ぐ。予はすでに予のすべてを両君の前に示しつくしたるものの如し。
従つて両君はここに歌はれたる歌の一一につきて最も多く知るの人なるを信ずればなり。
また一本をとりて亡児真一に手向く。この集の稿本を書肆の手に渡したるは汝の生れたる
朝なりき。この集の稿料は汝の薬餌となりたり。
而してこの集の見本刷を予の閲したるは汝の火葬の夜なりき。





我を愛する歌

東海(とうかい)の小島(こじま)の磯(いそ)の白砂(しらすな)に
われ泣(な)きぬれて
蟹(かに)とたはむる

頬(ほ)につたふ
なみだのごはず
一握(いちあく)の砂を示(しめ)しし人を忘れず

大海(だいかい)にむかひて一人(ひとり)
七八日(ななやうか)
泣きなむとすと家を出(い)でにき

いたく錆(さ)びしピストル出(い)でぬ
砂山(すなやま)の
砂を指もて掘(ほ)りてありしに

ひと夜(よ)さに嵐(あらし)来(きた)りて築(きづ)きたる
この砂山は
何(なに)の墓(はか)ぞも

砂山の砂に腹這(はらば)ひ
初恋の
いたみを遠くおもひ出(い)づる日

砂山の裾(すそ)によこたはる流木(りうぼく)に
あたり見まはし
物(もの)言(い)ひてみる

いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握(にぎ)れば指のあひだより落つ

しっとりと
なみだを吸(す)へる砂の玉
なみだは重きものにしあるかな

大(だい)という字を百あまり
砂に書き
死ぬことをやめて帰り来(きた)れり

目さまして猶(なほ)起(お)き出(い)でぬ児の癖(くせ)は
かなしき癖ぞ
母よ咎(とが)むな

ひと塊(くれ)の土に涎(よだれ)し
泣く母の肖顔(にがほ)つくりぬ
かなしくもあるか

燈影(ほかげ)なき室(しつ)に我あり
父と母
壁のなかより杖(つゑ)つきて出(い)づ

たはむれに母を背負(せお)ひて
そのあまり軽(かろ)きに泣きて
三歩あゆまず

飄然(へうぜん)と家を出(い)でては
飄然と帰りし癖よ
友はわらへど

ふるさとの父の咳(せき)する度(たび)に斯(か)く
咳の出(い)づるや
病(や)めばはかなし

わが泣くを少女等(をとめら)きかば
病犬(やまいぬ)の
月に吠(ほ)ゆるに似たりといふらむ

何処(いづく)やらむかすかに虫のなくごとき
こころ細(ぼそ)さを
今日(けふ)もおぼゆる

いと暗き
穴(あな)に心を吸(す)はれゆくごとく思ひて
つかれて眠る

こころよく
我にはたらく仕事あれ
それを仕遂(しと)げて死なむと思ふ

こみ合(あ)へる電車の隅(すみ)に
ちぢこまる
ゆふべゆふべの我のいとしさ

浅草(あさくさ)の夜(よ)のにぎはひに
まぎれ入(い)り
まぎれ出(い)で来(き)しさびしき心

愛犬(あいけん)の耳斬(き)りてみぬ
あはれこれも
物に倦(う)みたる心にかあらむ

鏡(かがみ)とり
能(あた)ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ
泣き飽(あ)きし時

なみだなみだ
不思議なるかな
それをもて洗(あら)へば心戯(おど)けたくなれり

呆(あき)れたる母の言葉に
気がつけば
茶碗(ちやわん)を箸(はし)もて敲(たた)きてありき

草に臥(ね)て
おもふことなし
わが額(ぬか)に糞(ふん)して鳥は空に遊べり

わが髭(ひげ)の
下向く癖(くせ)がいきどほろし
このごろ憎(にく)き男に似たれば

森の奥より銃声(じうせい)聞ゆ
あはれあはれ
自(みづか)ら死ぬる音のよろしさ

大木(たいぼく)の幹(みき)に耳あて
小半日(こはんにち)
堅(かた)き皮をばむしりてありき

「さばかりの事に死ぬるや」
「さばかりの事に生くるや」
止(よ)せ止せ問答

まれにある
この平(たひら)なる心には
時計の鳴るもおもしろく聴(き)く








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