春望(しゅんぼう) 杜甫 [漢詩]


国破山河在          くにやぶれて さんがあり

 城春草木深            しろはるにして そうもくふかし

 感時花濺涙         ときにかんじては はなにもなみだをそそぎ

 恨別鳥驚心         わかれをうらんでは とりにもこころをおどろかす

 烽火連三月         ほうか さんげつつらなり

 家書抵萬金         かしょ ばんきんにあたる

 白頭掻更短        はくとうかけば さらにみじかく

 渾欲不勝簪        すべて しんにたえざらんとほっす




戦乱で長安のまちはすっかり荒れはて、だた昔ながらの山河だけが残った

城に春が来て草木は深くしげっている

しかし、花を見ても涙が流れ、別れを悲しんでは、鳥にも心が痛む

戦乱は、三箇月続き、家族からの手紙は万金に値するほど貴重だ

白髪はかけばかくほど短くなり、冠をとめる櫛がさせなくなりそうだ





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李白    静夜思 [漢詩]

静夜思(せいやし)


 李白


 牀前看月光      しょうぜん げっこうをみる


 疑是地上霜      うたごうらくは これちじょうのしもかと


 挙頭望山月      こうべをあげて さんげつをのぞみ


 低頭思故郷      こうべをたれて こきょうをおもう




寝台の前、月光を見ると
まるでそれは地上におりた霜かと思われた
頭をあげて遠くの山にかかる月をみていると
自然に故郷のことが思い出され頭をうなだれる





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